秦野市指定の重要文化財

  • 太岳院(たいがくいん)
  • 木造十一面観音菩薩(もくぞうじゅういちめんかんのんぼさつ)立像(りゅうぞう)
  • 昭和46年7月26日指定

概要

  • 像高142.5センチメートル
  • 一木造(いちぼくづくり)(注1)、彫眼(ちょうがん)(注2)
  • 推定制作年代:平安期

曹洞宗の太岳院は天文10年(1541)に蔵林寺3世を招いて開いた寺です。木造十一面観音菩薩立像は、平安時代後期の作で、市内の平安仏の一 本作りの中では最も形が整った優れた仏像であると言われています。

高い宝髻(ほうけい)(注3)を結い、左手のひじを曲げて立ち、姿勢はほとんど動きを感じられません。面相はやや長く、目鼻口を顔の中央に集め、目は見開いています。両肩を大きく包み、膝前で二条に掛ける天衣は前面の腹下と膝上でかなり意識的に上向きに厚く彫り出されています。円みのある肩、抑揚のない体型や穏やかな雰囲気などから平安時代の作と考えられます。

(注1) 一木造(いちぼくづくり) 一つの材から仏像等を切り出す技法。
(注2) 彫眼(ちょうがん) 木の彫像の表面をじかに彫ってあらわされた眼。
(注3) 宝髻(ほうけい) 菩薩が頭上で結んでいるもとどり。