本会の「令和6年度通常総会」が、去る5月11日(土)、会員81名(委任状出席を含む)の出席を得て市立本町公民館で開催され、提出された全議案が原案どおり承認されました。令和5年度は3年に及ぶコロナ禍を乗り越え、市内・外の視察研修や講演・学習会をはじめ、本来に近い活動ができたことが報告され、6年度事業計画でも「文化財に関する支援事業」、「市民に向けた教育事業」、「市民と文化財をつなぐ広報・啓発事業」を3本柱として会員・市民向けの活動を展開することとしました。

 また、任期満了による役員改選が行われ、理事12名、監事2名が選出されました。

総会終了後行われた講演会は、「秦野の古文書について」と題して元県立高校教諭で、「発展!古文書・くずし字講座」の講師矢内昭夫氏を招き、「古文書」の基礎から市内に残された古文書とその現状、実際の古文書の読解等を丁寧にわかりやすく話していただきました。

 矢内講師は今後の課題として「古文書の散逸」を挙げ、‶市史に載っている資料でさえ分からなくなっているものもあり、由々しき事態に直面している。何とかしてここでストップをかけなければ・・・〟と強く訴えられていました。方策として講師は、‶博物館へ寄贈・寄託して保存していく〟ことがベストであるが博物館の現状のキャパシティと体制を考えると困難。次策として、既存の施設と兼用して『文書館』を創って古文書を保管し、そこを中心にして市民にもっと古文書に接してもらう機会を増やしていったら散逸を減らせるのではないか〟と提起されていました。講演会は会員・一般市民あわせて約60名が聴講し、好評のうちに終了しました。

 また、講演会終了後、会員の横溝彰さんにより、自作・自演の紙芝居「土偶 ミミちゃんの願いは」が披露されました。横溝さんは‶最近の新東名工事によって、縄文時代の遺跡がたくさん判ってきた。残念なのは秦野に縄文時代の遺跡はたくさんあるが「記録」でしか残されていないことである。稲荷木遺跡・菩提横手遺跡は皆新東名の下に埋もれてしまっている。縄文文化が開けていた街として、少なくとも「何々遺跡」といった表示くらいはあってもいいのでは・・〟と、熱い思いを語られていました。

矢内昭夫先生の講演会

横溝彰さんの紙芝居