デーケーは秦野弁で正式名称ダイカイと呼ばれる容器です。写真1は我が家に伝わるもので、黒塗りの外箱の中に内箱が入っています。外箱の大きさは36cm、高さ33cmです。内箱は上蓋開けると内容積は約6ℓです。

デーケーの代表的な使用例としては葬儀の際に濃い親戚から赤飯をこの容器に入れて持参しました。また、容器2個で一対とし1()と数えました。そこでダイカイを漢字でどう書くかを調べました。パソコンでダイカイを漢字変換してもそれらしい意味を持つ字句は出てきませんでした。子供が中学生になった時、買い与えた三省堂漢和辞典がありましたのでカイと読む漢字を検索すると93文字がありました。これを一字ずつ意味を調べて行く過程で盔(註1)という漢字に出会いました。ここには飲食物を入れる器、鉢の一種と書かれていました。

そこでデーケーとは大盔と書く大きな器の事ではないかとの結論に至りました。 我が家では昭和46年に祖母が亡くなり、自宅で葬儀を行いましたが、この時香典帳にダイカイが複数記載されていました。そして12年後の父親の葬儀の香典帳には記載がなく赤飯料として金額が記されていました。我が家のデーケーの変遷からも分かりますが昭和50年代以降デーケーの本来の使い道は無くなり、歴史上の民具として博物館で紹介される事になるでしょう。

註1:は通常のパソコン漢字変換ソフトJIS第2水準では出てきません。JIS第3水準で検索してコピーしました。