市指定の重要文化財
秦野市指定の重要文化財
- 円通寺(えんつうじ)
- 木造十一面観音菩薩(もくぞうじゅういちめんかんのんぼさつ)立像(りゅうぞう)
- 昭和60年12月20日指定
概要
- 像高120.7センチメートル
- 寄木造(よせぎづくり)(注1) 玉眼(ぎょくがん)(注2)
- 推定製作年代:南北朝期(平成3年解体修理実施)
十一面観音は頭部に十一の顔を持つ変化観音の一つで、変化観音の中では最も多くの遺例を持ちます。
頭部耳前で前後に矧ぎ首で体部に挿しており、体部の主要部は一材で彫り出し、背中に内刳り(うちぐり)(注3)を施し背板を当てています。両腕を肩、肘、手首で矧ぎ、両足先、頭上面等も別材で作られています。
衣文表現はやや硬いものの、深浅を使い分け、複雑な襞(ひだ)(注4)を手馴れた彫技でこなしています。やや平板化の目立つ肉取りや、各部の線の細い造形から南北朝期に作られたと考えられています。
語句の意味
(注1) 寄木造(よせぎづくり) 木彫像の主要部分を複数の材からつくる技法。
(注2) 玉眼(ぎょくがん) 水晶でつくられた眼。
(注3) 内刳り(うちぐり) 木造彫刻で、乾燥によるひび割れを防ぐために内部をくりぬくこと。
(注4) 襞(ひだ) 衣服などにつけられた細長い折り目。
アクセス
秦野市寺山780
注:駐車場あり。(台数が少ないため、公共交通機関をご利用ください。)